固定資産税に関わるエトセトラ

4月を迎え、新年度となりました。
我々の業界に絡む今の時期の風物詩と言えば、固定資産税評価の縦覧や納付書が送られてくる時期。ここで、固定資産税を巡る関西と関東の商習慣の違いとか、固定資産税に関わるエトセトラについておさらいをしてみますね。都市計画税と固定資産税の違いとか、税額算定の方法とか、償却資産の固定資産税とかの小難しいことは…別にお問い合わせくださいm(_ _)m

 

(その1)

【納税義務者は、その不動産のその年の1月1日現在の登記名義人(納税管理人)です!】

自動車税や原付バイクの税金は4月1日現在の登録上の所有者が納税義務者となり、5月頃に納付時期を迎えます。原付バイクなどの軽自動車税(年額数千円)は年度途中に廃車にしても年額分はもう戻りませんが、自動車税(年額数万円)は年度途中に廃車にすると、払った年額分が月割で還付になります。(廃車にすると車検が切れるので車検の残りが長い場合には廃車じゃなく名義変更。これだと還付はない。)しかし、不動産の固定資産税の納税義務者はその年の1月1日現在の登記上の所有者(ちなみに住民税も1月1日現在の住所地が納税地になる。)で、廃車の次元はないので還付は起きません。登記名義人が故人で相続未登記である場合などでは、登記名義人=納税義務者にならないので、所轄の役所が故人の戸籍を調査し、相続人に納税管理人を選任するよう求められることがあります。

 

(その2)

【じゃ、廃屋は年末までに撤去解体した方がお得?】

12月中に建物を滅失しておくと、1月1日現在には建物が存在しないことになるため、翌春の課税は建物に対しては行われなくなりますので、その点ではお得になります。但し、土地建物への固定資産税は自宅や貸し家、自社ビルなど、土地と建物を一体として利用する場合にのみ、土地の税が減額される要件がありますので、建物がない土地になることにより、無くなった建物の税額以上に土地の税額が上昇してしまう事があり、結果で負担額が増えることがありますのでご注意を。

 

(その3)

【いつからいつまでの期間の税?】

所得税の場合、サラリーマンと自営業では申告や支払いの方法には違いがあっても、毎年の1月1日から12月31日までの所得について課せられるものに差はありません。また、馴染み深い人も多いと思うので、あえて再び自動車税を例にしますが、自動車税は4月1日所有者に課せられ、年度中に廃車にすると月割での還付があって、その還付計算から課税期間は4月から翌3月までの年度での括りがなされていることが分かります。
では固定資産税は、1月1日の所有者に対して?

A/その年の1月1日から12月31日までの固定資産税として課されるもの

B/自動車税と同じ頃に請求書が来るのだから、4月から翌3月までの年度での期間として課されるもの

 

答え。AとB、どちらでもありません。
固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に対して課されるもので、市町村が行う請求書等の事務手続きが新年度になってから行われるに過ぎず、『1月1日現在の所有者が今年の税金を払いなさい。』となっているだけで、『この税金は○月○日から○月○日までの分です。』というのはないのです。

 

(その4)

【そこで起きてる、主に関東と関西での差。】

先述したように固定資産税には、強いての課税対象期間がないため、持ち続けているとか身内間売買で損得勘定がない場合は問題ないにせよ、損得勘定がある間柄で売買等を行った場合どうなるのでしょ?
春に送られて来る納付書(税額)を、売主と買主の当事者間の合意事項として、関東ではカレンダーの1年(1月1日から1年)、関西では年度の1年(4月1日から1年)の税額として捉え、日割り清算をする慣習となっています。

 

具体的には…(以下、特約的処理はないものとします。)

CASE1/
売主の甲さんから買主の乙さんへ、平成23年2月15日に所有権移転を行っており、平成23年4月15日に市役所から甲さん宛てに固定資産税の納付書が郵送されました。

【関西だと】
(23/2/15に)
平成22年春に甲さんに届いている納付書に基づいて、2/15から3/31までの45日分、税額の45/365を乙さんが甲さんに支払う清算をします。
(4/15の納付書に)
宛名は甲さん、でも当事者間の取り決めで全額が乙さんの負担です。

【関東だと】
(23/2/15に)
基本的に固定資産税に関しての清算は行いません。
(4/15の納付書に)
その税額に対し、1/1から2/14までの45日分が甲さんの負担、残り320日分が乙さんの負担として清算します。

 

CASE2/
平成23年4月15日に市役所から納付書が来ていますが、売主の丙さんは平成23年5月15日に買主の丁さんに所有権移転を行う予定です。

【関西だと】
(23/5/15に)
4/15の納付書の税額に対し、4/1から5/14までの44日分が丙さん負担、残り321日分が丁さん負担で清算。

【関東だと】
(23/5/15に)
4/15の納付書の税額に対し、1/1から5/14までの134日分が丙さん負担、残り231日分が丁さん負担で清算。

この東西の違い、私が業界に入った昭和の時代から今日もずっと続いています。関東方式と関西方式、どっちが得になるのか真剣に考えたこともありますが結局は損も得もない、マクドと呼ぶか、マックと呼ぶか位の違いしかないので、考えるのは以降辞めています。